3章.私がうつ病の治療を再開した時のこと

光

こんにちは。久川和人です。

前回は、私がうつ病の治療を始めた時のことについてお話いたしました。
(→私がうつ病の治療を始めた時のこと

主治医が信用できなくなり、通院を辞めました。それから、うつ病は悪化する。抗うつ薬を突然辞めたため、副作用が出て2週間以上経っても治りません。そのため、再度、病院を探す決意をします。

今回は、私がうつ病の治療を再開した時のことについてお話していきます。

再び病院を探す

うつ病治療を再開するため、インターネットで心療内科を探します。インターネットで検索すると、たくさんの情報が出てきます。東京都内の心療内科だけでも1,000件以上。インターネットは情報が多すぎます。

どこの病院がいいというよりも、自分と相性の良い主治医かどうかが大事。でも、診察してみないと、それもわからない。病院のホームページを見ても決められず、迷うばかりです。

迷うばかりでは先に進まないので、通勤途中にある病院で、診察時間が平日遅くまで開いている。土曜日も開いているという条件のもと、病院のホームページを見て選びました。

病院のホームページを見ていたら、親身になって相談に乗ってくれそうな感じがした病院がありました、診察を予約しようと思いました。しかし、予約の電話をするのにも勇気がいります。

「最初にどのように話せばよいのだろうか?」
「近い日で予約が取れなかったらどうしようか?」
「電話がつながらなかったどうしようか?」

どうでもよいことばかりで悩みます。そして、携帯電話で電話番号を途中まで押して切る。その繰り返しで電話番号を最後まで押すことができません。

それでも、やっとの思いで最後まで電話番号を押し、呼び出し音が鳴り始めます。

「トゥルルル・・・ガチャ。〇〇クリニックです。」と相手が電話に出ました。

「予約したいのですが・・・」と何とか言葉を発し、予約することができました。

初回は、土曜日に行くことにしました。

その頃の私の症状は、不安を感じる。食欲がない。眠れないけど眠い。という状態でした。具体的には、次のような状態でした。

  • 何もやりたくない、失敗したらどうしよう、やる気が起きない、といったような不安な気持ちが先行し、仕事をしなかったり、先送りしてしまう。
  • 朝は牛乳だけ。昼は食べないか食べても菓子パン1個だけ。夜だけは、会社から帰って少しは楽な気持ちになるためか、いつもより少し食欲が落ちるぐらいで食事は取れる。
  • 日中帯は常に眠いが、夜に布団に入っても2、3時間は寝れず、寝たとしても朝4時には目が覚めて、その後眠れない。

病院へ予約してからは、病院へ行くことに対する不安が出てきます。

「症状についてどのように話せばよいのだろうか?」
「心療内科に通っていたことは言うべきだろうか?」
「医者との相性はどうだろうか?」

など、不安がどんどん積もっていきます。

病院へ入るまでが大変

土曜日になりました。病院へ行くことへの不安感で押しつぶされそうです。

それでも、家を出て、電車に乗り、病院の入り口から少し離れた所に立ちます。そのまま、病院へ入っていけません。遠くから病院の様子をうかがうように、じっと病院の方を見ています。

心療内科なので、患者に対する配慮でしょうか、外からは病院の中が見えません。私には病院の入り口の扉を開けるのも、とっても、とっても勇気がいります。

「私が病院へ入って行ったら、通行人は私のことをどんな風に思うのだろうか?」
「病院へ入ったら、受付に何と言えばよいのだろう?」
「入り口を入ったら、どこに行けばよいかすぐわかるだろうか?」
「待合室はどんな感じなのか?」
「待合室で座る場所が無かったらどうしよう?」
「医師や看護師から症状を聞かれたらどのように話せばよいのだろうか?」

など、普通の人が聞いたら、どうでもよいことまで不安となって押し寄せてきます。

さらには、

「ここにずっと立っていると不審に思われるのではないか?」

と思って、近くをうろうろしたりして、5分ぐらいが経過したでしょうか。だんだんと、予約時間が迫ってきます。

「予約時間に間に合わなくなる! どうしよう。」

そんな時、チャンスがやってきます。通行人が途切れました。

「今だ!」

病院の入り口の自動ドアの前に立ち、ドアを開けるためのボタンを押します。ドアが開くまでの時間は数秒なのに、時間が止まったかのように、非常に長く感じられます。

「通行人が来る前に早く入りたい!」

やっと、ドアが開き、病院の中へ。まだ、不安との闘いは続きます。

やっと受付をすることに

病院へ入ると、すぐに受付があり、看護師さんがいます。そして、最初の一言がものすごく勇気がいります。

「予約した久川です。」

この一言。受付でこの言葉が言えただけでも、病院を予約してから今までずっと不安だったことのいくつかが解消されました。

「病院へ入る。」
「受付が見つかる。」
「受付で予約した旨を伝えられる。」

などの不安が解消されます。しかし、私の心に、次々と不安が押し寄せてきます。緊張した表情の私に対して、看護師さんは慣れた様子で話しかけてきます。しかも、優しさを込めたようなしゃべり方です。

「保険証はお持ちですか?」

私は保険証を看護師さんに渡します。

「問診票の記載をお願いします。それから、簡単なテストをお願いします。」

看護師さんのやさしい言葉で少し気持ちが楽になったところで、問診票とテスト用紙を受け取る私。また、不安が押し寄せてきます。私は文章を書くのが苦手、しかも、漢字もあまり書けません。問診票の項目でさえ、文章を考える、書く、書く際に漢字が書けないことがあるのが苦痛なのです。

それでも、問診票とテストを記載しなければなりません。でも幸運がやってきます。記載する項目は、該当するところにチェックを入れるだけ、文章を考えて書く必要はありません。しかし、これで少しは気持ちが楽になれる、と思ったのはほんの束の間のことでした。

問診票には、過去の治療有無の欄があります。そこには、うつ病治療をしたことを書かなければいけません。でも、治療を途中で辞めたことは言いたくありません。悩んだ末、「なし」と記載してしまいました。診察の際は、うつ病治療をしていないと嘘をつかないといけません。これで、また一つ、不安要素を増やしてしまうことになりました。

問診票の次は、テストです。質問に対して、5段階で今の状態を答えるものです。そのまま、今の状態を答えればよいのですが、いろいろなことを考えてしまいます。

「今の状態を答えてしまうと、非常に悪い結果になってしまわないか。でも、状態が良いように答えてしまうと、うつ病治療が必要ないという判断になってしまわないか。」

こんなことを考えながら、結果を書いていきます。不安で不安でしょうがない気持ちを抑えながら、結果を書いて、受付の看護師さんに渡します。

やっと、受付のやり取りが完了です。受付が終わったことに対する不安が無くなりました。しかし、問診票、テストの結果が気になるといった不安が増えます。さらに、まだ見ぬ医者に対しての不安が大きくなっていきます。

気が付くと、待合室は混んでいました。患者や付き添いの人が、10人以上は座っています。中には、うつ病が重症な感じの方もいます。とっても辛いだろうなと、勝手に同情してしまい、不安がさらに膨らみます。そして、いろいろな雑誌がありました。不安を紛らわすために、雑誌を手に取りました。雑誌のページをめくっていても、雑誌を見ていません。結局、不安を紛らわすことができず、順番を待っていました。

そして、診察室へ呼ばれます

受付でもらった番号札の番号で呼ばれます。自分の番号が呼ばれたときに気が付かないことがあったらどうしようと思うこと、これも大きな不安となります。番号が呼ばれるたびに、聞き逃さないように注意しないといけない、これも不安です。

ほどんどの人が「何でそんなことが不安なの?」と疑いたくなるようなことばかりかと思います。私は、うつ病なのか心配性なのか自分でもよくわかりません。でも、言えることは私の心は不安だらけということです。

しばらくして、私の番号が呼ばれました。ちゃんと呼ばれたことがわかりました。不安の一つが減りました。でも、すぐに次の不安がやってきます。診察室に入って、医者と会話をすることに対しての不安です。

それでも、診察室の扉をノックします。そして、ついに、私の主治医となる人との対面です。と思いきや、看護師さんだけが座っています。看護師さんがやさしく質問します。難しい答えは要求されません。私の記載した問診票の中身の確認でした。

問診票の中身の確認は終わりました。最後に、看護師さんが一言。その言葉は、4年近くたった今も覚えています。

その言葉は、

「辛かったでしょう。無理をしなくてもよいのですよ。」

です。

その瞬間、涙が出てきました。今まで、言われたことが無かった一言。私が一番聞きたかった言葉だったのかもしれません。今まで、辛かったのです。無理をしていたのです。私の気持ちを代弁してくれた一言でした。

おそらく、5分間ぐらいは、私は涙が止まらなかったと思います。その看護師さんは、私の涙が止まるまで待っていました。そして、涙が止まった後、看護師さんが先生を呼んでくれました。

(続く・・・ →私がうつ病の治療中にお客様の会社へ派遣されることになった時のこと



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