9章.私が後任者へ引継ぎが終わった時のこと

空

こんにちは、久川和人です。

前回は、「私の後任者が来ましたが、後任者が引継ぎを始めて2週間で辞めてしまった。」のところまでお話しました。
(前回の日記→私が最初に引継ぎを始めた時のこと
最初の日記→人と接するのが苦手です

今回は、私が後任者へ引継ぎが終わった時のことについてお話していきます。

睡眠薬との付き合い方

私は、派遣先へ行っていたころは、月に2日以上休んでいましたが、派遣先へ行く時は遅刻せず行っていました。

その頃は、心療内科で睡眠薬を何種類か試して、一番私に合ったものを探すということをしていました。

睡眠薬を飲んだことがある方はわかると思いますが、薬によって効き方が変わります。

大きく分けると次の3つに分類されます。

  1. 寝つきが良いが、すぐに効き目が切れて目が覚めてしまう(睡眠薬が早く効く)。
  2. 寝つきは悪いが、眠ると長い間、寝ていることができる(睡眠薬が遅く効く)。
  3. 上記の中間のような作用(寝つきがやや良い、ある程度長い時間寝ていられる)。

私の場合は、なかなか寝られず、寝てもすぐ目が覚めてしまうという症状でした。

そのため、1と2の薬を試したことろ次のようになりました。

  • 1の薬を飲むと、すぐに寝られますが、早く目が覚めてしまいます。
  • 2の薬を飲むと、なかなか寝られませんが、遅くまで寝ていられる。ただし、起きても睡眠薬が抜けきらず、しばらくの間、ぼーっとしてしまう。

ということで、3の中間のような作用の睡眠薬を試していました。その結果、「寝つくのが布団に入ってから20分ぐらい、目が覚めるのが明け方5時ぐらい」という状態になりました。

睡眠薬は良くないとも言われます。

確かに、副作用で頭痛がひどくなったり、めまいがしたり、口が乾く、吐き気がするなどが起こります。

実際、私も睡眠薬によっては、日中眠気が抜けず仕事が出来ない状態だったり、めまいがしたりと大変な時期もありました。

でも、自分に合った睡眠薬が見つかると、まったく眠れないという心配はなくなるので、それだけでも気持ちが楽になります。

今は睡眠薬は飲んでいませんが、睡眠薬を辞める際も、徐々に成分が少ない薬に変えていくことで、副作用もなく辞めることができますので、心配もいりません。

うつ病などで眠れない場合は、睡眠薬を利用して睡眠を確保することも、うつ病改善のためには必要な治療の一つだと思っています。

新たなる後任者

後任者が引継ぎ期間中に辞めてから3ヶ月ほど経ちました。

その間は大きな問題はありませんでしたが、とにかく作業量が多い。毎日、終電近くまで仕事をする日々。

それでも、心療内科の主治医や看護師と会話することで気持ちが安らぎ、そして妻の支えもあり、うつ病は緩やかながら回復していきました。

常に不安な気持ちはありますが、それを受け入れる。でも、受け入れても、聞き流しているような感じになることを身に付けたことが、うつ病改善の大きな進歩。

不安な気持ちに無関心になる。完全ではないですが、少しはそのようなことができるようになりました。

そんなうつ病改善の兆しが見えてきたときに、後任者が決まったという事実が、私の耳に入ってきました。

やりたがる人がいないということで、私の会社では、後任者が決まるまで難航していたようです。

でも、決まってしまえば、そのあとは早いです。なんと、来週には後任者がやってくるということでした。

今度の後任者は、30代前半のシステム経験もある男性だということです。

それ以外の情報はわからないまま、翌週を迎えました。

後任者の方が来ました。そして、引継ぎが始まります。

今度の後任者は覚えも早く、引継ぎは順調に進んでいきます。私がいなくても仕事が回るようになるのは時間の問題です。

実際には、引継ぎ期間は明確に決まっていませんが、派遣先との契約を考えると、翌月末が妥当だと思えました。

引継ぎを始めてから3日ぐらい経った時からでしょうか。新たな不安が襲うようになります。

それは、引継ぎ期間が終わって、自分の会社に戻った後、何をするのかということへの不安です。

引継ぎ期間が終わった後については、何の話もなく、しかも、私の評判なんて、「派遣先のお客様からクレームばかり。そのため、後任者を準備しなければいけなくなった。」なんて印象しかないはず。

そんな私が会社へ戻ったら、居場所があるのでしょうか。

せっかく、不安な気持ちに無関心になるということができるようになってきたのに、引継ぎ期間が終わった後についての不安だけは無関心になれませんでした。

その不安は、睡眠薬を使って眠っているとき以外は、常に私の心や頭の中に重くのしかかってきいて、押しつぶされそうになります。

そして、無理やり肺までの通路をこじ開けるようにしないと、呼吸をすることもできない状態が、日に何度も襲ってくる。

今考えてもどうすることもできないのに、答えの出ない不安で、うつ病がひどくなっていきました。

そして、週末を迎えます。

新たなる不安の中で

土曜日に心療内科へ行きます。

心療内科へ通い始めた頃は、毎週土曜日に診察を受けていましたが、2ヶ月ほど前からは、隔週になっていました。

私の状態が少しづつ良くなってきたということです。薬を飲むことで睡眠が取れるようになったこと、派遣先での仕事が慣れてきたことで、不安があっても何とかやっていける。そんな自信がついてきたからかもしれません。

でも、今回は、不安で押しつぶされそうな気持しかありません。派遣先へ行く前の状態に戻ってしまったかのようでした。

私は、そんな状態で、診察室に入ります。

そして、私は、いつものように、前回の診察後から今までの出来事、体調などについて話します。

話し始めて最後に今の気持ちを話す番が来ました。

「派遣先から自分の会社に戻った時、どのようになるのかわからず、不安なんです。派遣先からクレームが来るような私の評判は悪いだろうし、居場所があるのかもわからず、常にその不安ばかりしか考えることも出来ません。」

そんなことを言われても、主治医も困りますよね。

でも、主治医はいつものように優しく語りかけます。

「最近は、不安があっても、聞き流すようにすることで不安に対処できていましたよね。時間はかかるかもしれませんが、いつもどおり、その気持ちを持つように心がけてくださいね。」

その後、いくつかの会話をして、最後の主治医が言いました。

「派遣先へ行く前も同じような不安がありました。でも、派遣先へ行き、今まで通うことができました。今は難しいかもしれませんが、もっと自信をもって良いですよ。」

そうなんです。私はもっと自信をもっても良い筈なんです。不安で不安でしかたがなかったことに対して、何とか対処できているんです。

でも、そのことが自信にはつながらない。自信にならないのです。自信になるためにはどのようにすればよいのか。そのことを考え出すと、うつ病が悪化しそうです。

うつ病とは、自身の性格も関係あるとは思いますが、付き合い方が難しいというか、どうすればうつ病とサヨナラできるのか、よくわからない病気です。

その頃の状態は、何に対してもやる気ができないこと、常に頭の中が不安でいっぱいになっていること、自分がみじめに思えることです。

とにかくネガティブ思考で、楽しいことはまったく考えられない、楽しいことも楽しいと思えない、そんな日々を過ごしていました。

引継ぎ期間を終えて

引継ぎ期間は翌月末と決まりました。

結局、引継ぎ期間中は、自分の会社に戻った後どうなるのかという不安が消えることはありませんでしたし、不安を無視することはできませんでした。

そして、引継ぎ最終日。すなわち、派遣先の最終出社日がやってきました。

私にとっては最後ですが、他のメンバーは明日以降も仕事が続きます。

深夜まで仕事が続くので、後任者の歓迎会や私の送別会も行いませんでした。

そして、私の会社にクレームを入れた派遣先の担当者はその日は休みで、挨拶もできませんでした。

私は勤務が終わり、派遣先の会社を後にしました。そこには、お客様の期待に応えることができなかった自分がいます。

仕事が出来ないダメな一人の社員が派遣先をクビになったようなものです。

周りから見れば、私がうつ病なんて関係ありません。ましてや、私がうつ病ということを公表しているわけでもないのです。

自分の中ではよく頑張ったと思う気持ちと、もっとやれることはあったという後悔の気持ち、そして、明日以降どのようになるのかの不安が混ざり合って、どう表現したらよいのかわからない状態になっていました。

当たり前のことですが、時間は戻らない。過去のことを振り返っても、過去の出来事についてはどうすることも出来ません。その日の夜は、そのことを実感しました。

自宅に帰って布団の中に入りました。翌日からは、自分の会社へ出勤です。

「会社へ行ったら自分は何をするのか?」

そのことばかり考えてしまい、不安な気持ちが私の体全体を包み込みます。

寝ている時に考えても答えは出ないし、明日会社に行って何をするかを自分で選べるわけでもないでしょう。

なるようにしかならないことはわかっています。でも、不安になって、不安になっていることに対して悩んでしまうのです。

頭の中は、楽しいことを考える隙間がないほどに不安で埋め尽くされています。

それでも、いつもなら睡眠薬を飲むと、徐々に眠くなり、寝ることができます。

しかし、睡眠薬もその晩は効き目が半減しているようです。眠くはなりますが、一向に眠ることができません。

そうしているうちに、眠ったのかどうかわからないまま朝を迎えました。

起きる時間になっても布団から出たくありません。布団から出て会社に行かないことには、会社に行ったら何をするのかという不安は解決できないのです。

そのことがわかっているのに行動できない。

このまま布団の中にいて、会社を休んでしまったら、今晩も同じように不安のままで過ごさなければいけなくなります。

解決するためには、布団から出て支度しなければなりません。

そして、私がとった行動は、会社を休むということでした。

会社に行ったときに、どうなるのかを知るのが怖くなってしまったのです。その結果、現実を知ることから逃げてしまったのです。

そのため、上司の声を聞くのも怖くなって電話も掛けられず、上司や同じ部署のメンバーに「体調不良で休む」とメールだけしました。

その日は、不安と恐怖だけを感じたまま、布団に入っていました。

(続く・・・私が派遣先から戻ってきた時のこと



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