こんにちは、久川和人です。
前回は、
「会社に行ったら、あるプロジェクトのプロジェクトリーダーが長期に休んでいて、部署全体が慌ただしい雰囲気となっていた。
そんな中、私は転職活動を始め、金曜日の夜に人材紹介会社の担当者と面談をした。」
のところまでお話しました。
(前回の日記→私が転職活動を始めた時のこと)
今回は、私が転職活動を始めた途端に大変な仕事を任された時のことについてお話していきます。
”どうにもならないこと”への付き合い方
私がうつ病になったのは、仕事の疲れや人間関係の悩みによるストレスが主な原因だと思っていました。
人と接するのが苦手ということもあり、
・仕事を断ることができずに何でも引き受けてしまう。
↓
・わからないことがあっても周りに相談しづらい。
↓
・わからないことを一人で多くかかえてしまう。
↓
・仕事が進まず、勤務時間が増え疲れていく。
↓
・仕事がわからない、できないことへの不安が募る。
↓
・自分にはできないと思って、自信を無くしてしまう。
なんてことになっていました。うつ病で休職した時は、そんな感じです。
でも、うつ病になった原因として、もっと大きなことが隠れていました。それは、私の日記でたびたび出てくる”不安”という気持ち。
何に対しても不安に思う気持ちがうつ病になった原因だと思っています。
私は現実に起こっていないことに対して、勝手に起こったと想定して、その結果を悪い方へ考えてしまうのです。
日記に書いてあることだと、”人材紹介会社の担当者と相性が合わなかったらどうしよう”って思うことですよね。
だって、まだ会ってもいない担当者に対して、会う前から悪い結果だけを考えて不安に思っています。そんなの会ってみるまでわからないし、相性が合わなかったら付き合いをやめればいいだけですよね。
それ以外にも、”明日出かけるのに雨だったらどうしよう”とか、”あの人は私のことを嫌いだと思っているのだろう”も、明日の天気のこと、他人の感情を不安に思っても仕方がないことです。
このように、いつも不安に思っているという気持ちに気づいてから、私の中で一つの答えが出ました。
それは、
”自分でどうにもならないことは、気にしない。”
これがうつ病を改善させる答えなんだと。
”気にしない”ということは非常に難しいことです。今までどうでもいいことまで”気にする”という生き方をしてきたのです。
でも、”自分でどうにもならないことは、気にしない”ということを意識すると、少しずつですが、私の中で変化が現れました。常に心の中であった不安という気持ちが減っていくのです。
今では不安に思ったときは、自分の心に語りかけます。
”それは、自分でどうにもならないことですか?”
答えが、”Yes”なら、気にしなくていいのです。だって、どうにもならないことなんですから。だからといって、簡単に気にしないと思えるようにはなりません。
そんな時は、すぐに、”そのことは気にしなくていいんだ”と強く思うことをします。そうすると心の中の不安という思いが小さくなっていき、気持ちが和らいでくるのです。
以上が、”どうにもならないこと”への付き合い方でした。
次からは、14章からの続きです。
大量のメール!!
月曜日になり、会社へ行き、私は静かに自分の席に座ってパソコンを起動しました。そうすると、いつもとパソコンの様子が違うのです。メールを受信するのが非常に遅いのです。
メールが受信し終わり、メールを見ると、いつもは日に数件しか来ないのに、今日は数十件の未読。
それらのメールは、日曜日から私のメールアドレスに届くようになっていました。もちろん仕事のメールです。
私にもやっと仕事が与えられたのです。でも嬉しくない。
そのメールは、問題になっているプロジェクト関連のメールです。
「私は、やっかいなプロジェクトの仕事をやることになりそうだ。」
そう思うと、急に憂鬱な気分が襲ってきました。
プロジェクトリーダーが会社に来なくなったほどの大変な仕事。うつ病の私には到底できるような仕事の内容ではありません。元気なころの私でも相当つらい仕事だと思います。
憂鬱な気分になり、自分の上が急に暗くなり、視界が真っ暗。真っ暗な中、無理やり自分の体がやっと入るくらいの狭い部屋に押し込められて、胸が圧迫されて苦しくなるような気分です。
自分では身動きが全くできない状態となってしまい、自分からは誰にも話しかけることはしませんでした。
私にこのプロジェクトの仕事が来るとは思ってもいませんでした。
届いているメールは読み気にもなれず、未読のまま。就業時間が始まり、未読メールがどんどん増えていきます。
そして、30分ぐらい経ったとき、メールを送っていた担当者の一人が話しかけてきました。
「メールをしている件ですけど・・・。会議をするので、会議室に来てください。」
そう言われて、私は重い足取りで、会議室へ向かいました。後からメールを見たのですが、大量の未読メールの中に、会議依頼のメールが含まれていました。それを見ていなかったので、私はみんなを会議室で待たせていたのでした。
部署異動後の初仕事?!
会議室に入ると、上司を含め、4人が座っていました。恐らく、寝ずに仕事をしていたのでしょう。みんな眠そうです。話しかけたら怒鳴られそうな雰囲気もあります。
私はますます憂鬱になっていきます。
「今日は休むべきだった。なんで出勤してしまったのだろう。」
そんな後悔の念に襲われてきました。
でも今更休むわけにもいきません。仕方なく、私が席に着きました。
そしてすぐに上司が話しだしました。
「メールのとおりだが、○○さんが体調不良で急遽休みとなったので、久川さんが代わりに担当するように。」
私は正直に答えました。
「申し訳ございません。まだメールを確認できていないので、、」
私には断る理由もないので、そのあとはそのまま黙っていました。
私がメール見ていないことにみんな驚いている様子。でも私からすれば、担当するとは思っていなかったのでメールを見ていないのは当然だとも思いました。
私が何も知らないので、みんなが状況の説明を始めました。
プロジェクトを進めていて、設計書や仕様書などのドキュメントの品質が悪く、お客様から作り直せとのクレームが入っているとのこと。しかも、お客様と約束した納期から2週間以上経っている状態。
そのドキュメント類を作成したのが、急遽休みとなった人で、その人は先週から会社に来なくなったとのことでした。
プロジェクト自体も遅れがちで、今いるメンバーがドキュメントを修正する余裕がなく、部署にいる人も余裕がないため、暇をしている私にドキュメントを作り直させるというのが、昨日(日曜日)に決まったようです。
予想したとおり、面倒な仕事を押し付けられました。というか、プロジェクト関連のメールが大量に届いているのだから仕事を押し付けられるのは当たり前ですよね。
会社は、人手が足りず仕方なく私を使うことにしたのか、それとも、面倒なことを押し付けて私を辞めさせようとしたのかはわかりません。
でも、転職をする行動にでた途端に、プロジェクトを担当することになるとは、つくづく自分の運のなさを痛感するのでした。
集中できず
自分の席に戻り、メールの内容を確認しました。
でも、ドキュメントをどのように修正したらよいのかはメールからではわかりません。
ドキュメント修正するにあたり、私がわかないことがあっても、みんなに余裕がなく聞ける状況ではありません。
そもそもドキュメントの品質が悪いと言っても、何が悪いのかもわからず、しかもどんなプロジェクトなのかもよくわかっておらず、手が付けられません。
「面倒な仕事を押し付けられた。」
そんな気持ちしか思うことができず、ドキュメント修正を進めることもできません。
自分の席で途方に暮れていると、プロジェクトメンバーの一人が私の席にやってきました。私のことを心配してくれたのか、プロジェクトの概要やお客様からの指摘事項について説明してくれました。
そのことで、私は何をすればいいのかが理解できて大変ありがたかったのですが、説明を聞いている私の態度はやる気のなさが出ていて、今でも申し訳なかったと思う時があります。そんな私の態度でも、「ちゃんと説明してくれてありがとう」とお礼が言えたらよかったのですが、その時はお礼が言えるような気持ちになれませんでした。
説明を聞いていると、ドキュメントでまず修正しなければいけないのが設計書。設計書の内容がお客様からの要望と違っていて、さらにお客様からの指摘事項が直っていないとのこと。そのため、お客様との打ち合わせでは、さんざんお客様から文句を言われている状況とのことでした。
でも、お客様が一部無理な要求もしているようで、そのため、指摘事項を直していないということもあるようです。
私の経験でも、こういうことはプロジェクトではよくあることなんです。こういう場合は、お客様と交渉し、落としどころを見つけていくしかありません。でも、会社を休んでしまったプロジェクトリーダーは落としどころを見つけることができなかったのでした。
最終的にはお客様と落としどころを決めなければいけないのですが、説明を受けて何となくですが、ドキュメントの修正内容がわかりました。
今の段階では、実現可能な内容でしか修正できませんので、修正する内容は、私が元気ならばそんなに難しいことではありません。でも、うつ病となると、集中して作業できず、眠気があり、思考力が低下して思うように作業が進みません。
元気なときの1時間の作業が、うつ病だと2時間以上かかり、しかも元気なときよりも品質が悪いです。
なので、元気なときの自分と比べてしまい、今の自分にはできないと思う気持ちが先行して、やる気がでない。おまけに、集中することもできません。
人間は集中して取り組むと、時間も忘れてそのことだけを行い、非常に、はかどったりますよね。
でも、その頃の私は何に対しても集中することができず、雑念ばかりを思い浮かべて手が動きません。
私の頭の中は、できないという気持ちと、やりたくないと思う気持ちが同時に現れて、仕事を阻害しているようでした。さらに、ドキュメント修正したら、お客様に交渉もしなければいけないと思うと、なおさら手が動かない。
しかし、今日と明日も会社の帰りに、人材紹介会社へ面談にいかなければなりません。
「早く進めないと!!」
「とにかくできるだけ作業をして早く会社を出よう。」
そう思うとあせる気持ちも出て、さらに仕事が進まなくなります。心拍数が上がり、頭に血が上るような感覚に襲われ、めまいがして、胸が苦しくなり、パソコンのキーボードを打つ手も震えます。周りから見たら挙動不審な人に見えていたのかもしれません。
想定外の出来事
やる気のない中、ドキュメントの修正作業を進めます。それでも、少しずつですがドキュメントの修正作業のペースが上がってきました。
でも残念ながら長くは続きませんでした。職場では私は一つのことを集中して作業させてはもらえないようです。
先ほど私にプロジェクトの現状を教えてくれたプロジェクトメンバーが、私に近づいてきて話しかけてきたのです。
「お客様に呼ばれているので、すぐに一緒に来てください。」
と言われました。
時計を見ると、15時を過ぎていました。
断るわけにもいかず、外出するための準備をします。
そして、今日の人材紹介会社の面接に間に合うのかという不安の中、お客様のもとへ向かうのでした。
(続く・・・私が人材紹介会社の2社目の面談に行った時のこと)