11章.私が転職を決断した時のこと

ねこ

こんにちは、久川和人です。

前回は、
「派遣先から戻ってきたが、与えられた仕事は、”派遣先のメンバーが困った時の電話サポート窓口”。電話がかかってくることはないので、仕事がないのと同じことでした。そして、心療内科の主治医からは”今月で病院を辞める”という事実を聞かされます。」
のところまでお話しました。
(前回の日記→私が派遣先から戻ってきた時のこと

今回は、私が転職を決断した時のことについてお話していきます。

うつ病の時に転職してもいいのか?

一般的に言われるのが、”うつ病がひどい時は転職してはいけない。”ということ。

これは、うつ病の時は判断力が鈍るので、うつ病が改善された時に冷静になり、転職しなければよかった、なぜこの会社に転職してしまったのかなど後悔する。

そもそも、うつ病がひどい状態で、会社を選んだり、履歴書・経歴書を書いたり、面接を受けることができないなんてこともあります。

そのため、うつ病が回復してきてから、冷静に判断して、転職するかどうか考える。人生で重大な判断を安易にしないということが大事なんだと思います。

会社に勤めながら転職活動をするのなら、たとえ転職先が見つからなくても、いきなり職が無くなるなんてことはありません。

でも、うつ病がひどくて面接なんてとてもできない、なんてときに無理をして応募しないほうがよいです。面接で不採用となってしまうと、うつ病が良くなったときに、再び同じ企業に応募することができなくなるからです。

今は、転職サイトもあり、転職サイトに登録し経歴などの必要事項を入力すれば、転職サイトの担当者が求人情報の中から探してくれます。

40歳目前で一般職の私が果たして転職できるのかどうかが不安ではありますが、”転職活動を始める。”ということをするためのきっかけになる出来事がこれから起こります。

仕事を与えられない事実!

”派遣先のメンバーが困った時の電話サポート窓口”を担当してから、2週間が経ちました。その間に掛かってきた電話は1件。

電話がかかってきたときのことは、数年経った今でも、非常に嬉しかった出来事として覚えています。

私が会社で何も仕事を与えられていないということを営業担当者が派遣先のメンバーに言ったようです。それで、派遣先のメンバーの一人が、私のことを心配して電話を掛けてきてくれました。

話を聞いていると、相変わらず、派遣先の窓口となっているお客様から、メンバーに対して仕事が出来ないと文句ばっかり言っているようです。
私がいなくなったことで、さらに、仕事の品質が悪くなったと営業担当者にクレームを入れているとのこと。

もちろん、私がいなくなった後、問題を起こしたわけでもなく、仕事が遅いなんてこともありません。

とにかく、お客様はクレームを言いたいようです。

私の後任者も、お客様からのクレームを聞いて、メンバーに仕事を早くしろしか言わないそうです。
私の見解だと、後任者は仕事ができそうな感じに思っていましたが、そうではなかったようです。

仕事中の会話なので、あまり長く会話もできず、数分しか会話はできませんでした。
派遣先から戻ってきて、派遣先のメンバーには申し訳ないとの気持ちはありますが、私のことを心配してくれる人がいる。その事実がわかっただけでも嬉しくなりました。

一方、私はというと、毎日、適当に資料を見たりしながら過ごします。
私の担当している業務である”派遣先のメンバーが困った時の電話サポート窓口”は営業中なのですが、派遣先メンバーにその事実が伝わっているわけではなく、何も仕事がない状態です。

その間に、部署で全体会議もあったのですが、私は呼ばれません。部署内の連絡メールなども私には届きません。あくまで、私の席が今の部署にある、私はただそれだけの存在のようでした。

そんな中、以前の部署の人から次のようなことを聞きました。

私が派遣先にいた頃、私を含めた派遣先メンバーに対してのクレームが、社長や取締役の耳にまで入ったことで、社内でも大変な問題になりました。
派遣先の部長と、私の会社の社長との仲が良かったらしく、直接クレームが伝わったそうです。

そのため、技術部長、営業部長、営業担当なども、社長に怒られるという事態になりました。そして、クレームが発生した派遣先の責任者は私。
直接私に会社を辞めろとは言えないので、私から辞めると言わせるように、私を降格させ、何も仕事を与えないということにしたそうです。

クレームが入って、事実関係も現場の状況も確認せずに、処分を決める。結局、誰かに責任を押し付けることしかしないのです。誰も責任を取りたくないのですね。

クレームが入ったなら、どうすれば解決できるのかという改善策を考えれば、良くなっていくはずです。でも、犯人捜しだけをしている。そして、犯人は、現場の責任者。

そいつが悪い。ということにしてしまい、みんな保身に走ることしかしない、それが今の会社の姿勢となっているように感じられました。

あなたはどうしたい?

主治医は今月で辞めることになっています。その月末が近くなりました。

私の会社での立場も悪く、うつ病の状態もだんだん悪くなっていくようでした。
それと、主治医が辞めることのショックと、つぎに主治医になる先生がどんな人がわからない不安がつのっていきます。

そして、主治医とは最後の診察の時間になりました。
いつもは、温かさがあり、心が和む安心できる空間でした。それが今回は、不安だけしかありません。

目の前が見渡す限り真っ暗で、1ミリも進むことができず、ただ呆然と立ったまま、どうしていいのかわからない。そんな心境でした。

会社での状況を話した後、今後、私はどうすればよいのか主治医に聞いてみました。

すると、その答えは、

「久川さんがどうしたいのかが大事です。」

ということでした。

急にどうしたいのかと聞かれると、返事に困ってしまいます。

  • 今のまま、会社へ通う。
  • 休職する。
  • 転職する。

それぐらいしか思い浮かびません。

でも、じゃあ、”どれにする?”といわれると、選べない。転職するにも、私はすでに40歳近い年齢。管理職でもない私を採用してくれる企業があるかもわからい。

困った顔をしたままの私に、主治医はもう一言。

「あせる必要はないですが、考えてみてくださいね。今の久川さんだったら、十分判断できます。」

最後の診察は終わりました。主治医は最後まで、いつもと変わらない優しさがあふれる態度で接してくれました。

心療内科で次回の予約をしましたが、次に主治医になる先生は決まっていないようでした。

いつもは、心療内科を出ると気持ちが落ち着き、不安な感情が少し治まります。

でも、今回は違いました。心療内科へ行く前よりも不安な気持ちが強くなっています。そして、友人を一人失ったような悲しい気持ちです。せっかく私自身のことを気軽話せる人が見つかったのに、いなくなってしまう。心療内科から一歩ずつ離れていくにつれて、悲しい思いがこみ上げてきました。

でも、どうすることもできません。主治医との診察の最後に、大きな課題をいただきました。

”どうしたいのか?”

今のまま会社へ通うのは苦痛ですし、かといって、休職しても復職できる環境はなさそうです。でも、転職しようとしても転職先があるのか、転職できたとしてもうつ病がひどくなるのではないか。

私はとにかく、後ろ向きな考え方、ネガティブ思考です。このような状態で、

”十分に判断できる。”

といわれても、疑ってしまいます。

でも、人に言われて行動できる話でもないことはわかっています。

私に少しでも前向きな考え方、ポジティブ思考があれば、状況は簡単に変えられるのかもしれません。

今のまま何もせずに給料がもらえるんだからいいとするのか。
休職すればしばらくは自由に生活することができるとか。
転職すれば今の状況から抜け出せるとか。

そんなことはまったく考えられませんでした。

でも、何となく、”転職活動を始めてみる。”という気持ちが少しだけ心の中に出てくるのでした。

少しずつ考えていくと、今の私の立場からして、むしろ、主治医の言ったとおり、

”今の久川さんだったら十分に判断できます。”

を信じて、今よりも悪化しないうちに、転職活動をしてみるのがよいと思うようになってきたのです。

目標は ”達成できない!”

会社では年度初めの4月、5月に、今年度の自分の目標設定を行います。そして、10月ごろに上司との中間面談があります。

私が派遣先から戻って、すぐに中間面談の時期になりました。私には中間面談もないだろうと思っていましたが、突然、上司から今から中間面談をすると言われました。

何の準備もせずに、上司と会議室に入り、椅子に座ります。そして、唐突に上司が話をします。

「久川さんは派遣先から戻ってきたので目標は達成できませんよね。」

それに対して私は、

「そうかもしれません。でも、」

と話をしようとすると、それをさえぎって、さらに上司は話を続けます。

「ですので、評価は良くは付けられません。」

上司はそれ以上は話はしたくないと顔に出ています。そして、そのまま上司は会議室を後にしました。

結局私は、何の意見も言えないまま中間面談は終わり。その後、目標設定ついて話をする機会はありませんでした。

私はそんなに悪いことをしたのでしょうか。

きっと、社長と仲がいいお得意先の部長からクレームを言われたことが、会社の中では相当悪いことだったのでしょう。
でも、そこまでクレームを言われるほど悪いことはしていないと思ってます。そして、同じ派遣先にいたメンバー含め問題を起こしたことはありません。
この件で、会社から事情を聞かれたこともありません。

それで今の待遇には納得はいきません。

しかし、私も所詮、会社の歯車です。というか、会社の中で仕事がない私は歯車にすら入っていないですね。歯がすり減ってしまい、歯車として機能しなくなった存在。この瞬間にいなくなっても誰も困らないぐらいの存在。

そんな存在だからか、社内に味方がいないからか、うつ病だからか、年齢を重ねてきたからなのかはわかりませんが、会社に対して何も言う気にはなれませんでした。

言ったところで、意味がないからです。

このまま会社にはいられないということがわかり、いよいよ転職活動を始めることになります。

(続く・・・私が心療内科でショックを受けたこと



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